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【果実B】
ブラックラズベリー独特の風味と見た目が好印象。品質が非常に安定している。
甘さそこそこ、酸味控えめといった味。
【収量C】
サイズは小さいが着果数はそこそこ。

【育てやすさC】
他のラズベリーよりカイガラムシがつきやすいので対処が必要(冬の石灰硫黄合剤など)。
ラズベリーの中では一番トゲが激しい。作業には厚手の手袋が必要になる。
枝先の枯れ込みが多いが理由は不明。暑さのせいか、ハダニやホコリダニのような害虫のせいか調査中。
樹勢自体はまずまずで、毎年シュートが3~4本はでる。
また蔓性で誘引が必要だが、トゲと相まって作業が大変。
果実が硬めで比較的雨に強く、最悪雨除けしなくても食べられる。

【総合B】
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今回はブラックラズベリー、「ブラックキャップ」について書こうと思います。
うちのはヤフオクで入手しました。通販でも売っていると思います。
まず最初に言いたいのはもう少し名前どうにかならなかったんですかね、ということ。
例の黒い生き物を捕まえるためのトラップと名前一緒じゃ食欲が落ちますよ!
まあどっちが先なのかはわかりませんが。
あと1号ってなんですか?
2号とか3号とかあるんですか?

と、いちゃもんはここまでにしておいて、
このブラックキャップ1号、
総評Cランクにしてしまいましたが果実だけを見ればかなりいい品種です。
容易にゲットできる唯一のブラックラズベリーがダメな品種だったらどうしようと手に入れる前は不安だったのですが、かなり良いですねこれは。
良い点を挙げていきます。

1、樹勢が強い
ほふく性の枝がどんどん伸びます。8号鉢で3mくらい伸びました。誘引しないといけません。
下の画像では謎の誘引方法をとっていますが、
これは最初、樹勢の強さから「直立性かな?」と思って支柱一本に縦に誘引していたのですが、
その支柱の長さを軽く越えてどうしようという状況になりました。あんどん仕立てにしようにも、もう下のほうが固くなっていて直す事もできず上下に行ったり来たりする変な仕立て方になってしまった次第です。
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2、果実の成り方が安定している
我が家では2株鉢植えで育てていますが両方共同じくらいの量が成りました。
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こんなふうに5~7個が固まって成ります。他のラズベリーに比べて大きさと品質がかなり均一です。

3、果実の見た目が綺麗(個人の感想です)
ラズベリーの魅力の一つに見た目の美しさがあると思います。
ブラックキャップ1号も独特の美しさを持っています。
まず上の画像の通り、赤から黒のグラデーションが美しいですね。
また、この品種は他のラズベリーと違ってやたらとテカテカしています
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黒い色と相まって、「これを食べたらどんな味がするんだろう」という期待が膨らみます。

4、他のラズベリーと違った味が美味しい
ブラックキャップ1号は見た目だけでなく味の方も他のラズベリーとはかなり違います。
レッドラズベリーは独特のラズベリー臭がしてあまり好まないという人もいるらしいですが、
ブラックキャップ1号は癖のないマイルドな味わいです。
(もちろん私はどちらも好きですが)
逆に言えば味にインパクトはないわけですが、他のラズベリーにはないコクと安定した甘さがあります。舌の上で潰してよく味わいたくなる味です。
ちゃんと黒くなるまで熟したものは糖酸のバランスが良く、見た目に反して万人受けする味だと思います。基本的に酸味が少ないので誤って多少早採りしても意外とイケる味です(もちろん完熟させたほうが美味しいですが)。

<欠点>
いい事づくしのように思われるブラックキャップくんですが、唯一にして最大の欠点は実がかなり小さいということです。
その小ささはなんとイエローラズベリー以上(以下か?)。
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<反省>
上で書いたように去年伸びた枝は上下に行ったり来たりさせるという仕立て方をしました。
しかし下がる方向に誘引されている部分以降の枝には全く実がならないという現象が起こりました。
つまり最初の上方向に伸びている部分にしか実がならずかなり収量が減ったと思われます。
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↑花芽が出なかったので養分節約(?)とスッキリさせるために右上の部分を切ってしまいました。

この反省を生かして今年の枝はちゃんとあんどん仕立てにしています。
うまく行けば今年の2~3倍は収穫できるのではないでしょうか。
それくらい取れればジャムやジュースなどに加工することもできるでしょう。

というわけでブラックラズベリー「ブラックキャップ」の紹介でした。
ブラックラズベリーは海外にはもっと品種があるらしいですが今の所簡単には入手できませんね。
ブラックキャップが思った以上に優秀だったのでブラックラズベリーのこれからに期待したいと思います。