<基本情報>
  • トゲあり(細かい)
  • 一季成り
  • 直立性
  • 果実は円錐形(バラつきあり)
  • 入手困難(ヤフオクでたまに出品される)
IMG20210603085942トゥラミーン


【果実A】
甘さが安定して強いのが最大の特徴
早い段階から甘みを持っているため、若干白さの残っている果実を早採りしても生食できるくらいである。
半日陰や曇天続きのような日照が少ない環境でもよほどひどくない限り甘さを維持できる。
おそらくラズベリーの中では、平均して最も甘い品種と言えるだろう。
酸味は控えめで、甘さがより際立つ格好になっている。
香りについては特に強いということはないが癖がない風味で食べやすい。
形はかなり不揃いでボコボコしており、サイズも小さいものから大きいものまで幅がある。
熟したときの小核果の粒が大きく、サイズの大きいものはブドウの房を小さくしたような見た目になる。
小核果の肥大につられて種も大きくなるのか、生食時に種感が強いような気がする。
かなり果肉が柔らかい。そのため保存性は低いと考えられる。樹上で真っ赤になったものはすでに発酵し始めているものも多い。
小核果の繋がりが弱くバラバラになりやすい。

【収量B】
果実サイズはバラつきがあるが、平均すると大きめ。
着果数は上の下といったところで、総合してなかなかの収量が取れる。

【育てやすさA】
直立性だが風が強い地域では低めに仕立てるか支柱で支えた方がいいだろう。
樹勢は中くらいで扱いやすい。
新枝の発生数も中くらい。十分に大きい鉢では毎年3~4本の太い枝が発生する。
トゲがあるが細かく量も少ないため素手での作業に問題はない。

【総合評価A】
いろいろなところで評価が高く、よく新品種と比べられる有力なラズベリー。
常に強い甘さをキープしてくれるとても優秀な性質を持っており、パテント(特許権)のない品種では間違いなくトップランカーの一種だろう。

全体として優れた品種なのであえて欠点をあげてみる。
まず感じたのが種感の強さである。これは人によって感じ方に差があるかもしれないが個人的に若干強く感じた。上にも書いたがトゥラミーンは小核果が大きくなるので一緒に種も大きくなるのだと考えられる。
果実の美しさという点でも少しケチがつく。ボコボコとした不揃いな実が生るからだ。
ネットショッピングの画像のようなきれいな実はなかなか生らない。
見た目だけで言えばジョンスクエアーのような緻密できれいな円錐形をしている品種の方が私の好みだ。
トゥラミーンはジョンスクエアーと正反対とも言える果実の性質を持っており、ジョンスクエアーが小さい小核果がたくさん密に集まってガッチリとした集合果を形成するのに対して、トゥラミーンは大きな小核果が比較的少ない数で集合果を形成していて脆い。
また、酸味という点で物足りなさを感じた。これも好き嫌いがあるかもしれないが、個人的にはある程度酸味が強い爽やかな味が好きである。まろやかな味が好きという人にとっては問題ない点だ。

これらの欠点を考慮してもなお秀でた性能のラズベリーであることは間違いない。
とにかく甘いラズベリーが食べたい人はもちろん、半日陰で育てざるを得ず日照をあまり確保できないという人にもオススメである。

追記2021年7月5日
雨が続くと実にコバエが大量にたかる性質がある。
ハエを呼び寄せる匂いが特に強いのかもしれない。
同条件下で他のラズベリーにはまったく見られない現象だ。