ラズベリー栽培の一連の流れを鉢選択から収穫まで全部書きました。
やることは以下の通りです。

鉢を用意
土を用意
苗を用意
苗を植え付ける
害虫の防除
追肥を行う
間引き剪定を行う
雨除けをする
夏果の収穫
フロリケーンの切除
秋果の収穫

では詳細を見ていきましょう。

①植木鉢を用意する

鉢のサイズですが、最低でも8号鉢(直径24cm)で栽培しましょう。
個人的にはスリット鉢の10号程度のものをオススメします。
ラズベリーのポテンシャルを最大限に引き出すには大量の土が必要になるのですが(最大で60Lくらいらしい)、あまり大きい鉢だと動かせなくなるので運べるギリギリのラインが大体10号スリット鉢ということになります。
もっと力がある人はより大きな鉢、力がない人は小さい鉢を選択してください。
さらにいうと直径が40cm、50cmという巨大な鉢も候補に入ります。この場合不織布ポットが安いです。ただし基本的に最初に置いた場所から動かせなくなることには留意しましょう。

形状については、ラズベリーはあまり深く根を張るタイプの植物ではないので縦と横の長さが同じくらいのスタンダードな鉢で良いでしょう。

最初はダイソーの安いプラスチック鉢でもいいでしょう。シンプルな8号のものが売っています。
しかし8号はやはり最低限の大きさで、収量もあがりません
そのうちそれでは我慢できなくなる(実話)のでだんだんと大きい鉢にチャレンジしていくといいでしょう。
上でも触れた兼弥産業の10号スリット鉢(直径30cm,12.8L)の他にも、Amazonで売っている「5ガロン(18.9L)」と表記されている不織布ポット(直径30cm)などがオススメです。5ガロン不織布ポットは10号スリット鉢より一回り大きいぐらいです。


不織布ポット プランター フェルト 植え袋 1-20ガロン ガーデン 園芸 植物育成 野菜栽培 発育促進 5セット (5ガロン 高25×直径30)



②土を用意する
ラズベリーはいろいろな土が混ぜられている一般的な市販の培養土で十分育ちます
例えばこんな感じの土です。→ゴールデン粒状培養土 14L
ただし市販の培養土は少し水はけが悪い場合があるので過湿にならないように、生育ステージの早い段階では水をやりすぎないように配慮する必要があります。
水やりのタイミングというのは意外と難しく、水はけの悪い土だと初心者の方は根腐れを起こさせてしまうことがあります(私が最初そうでした)。

水やりの感覚がまだつかめていないという方は、土自体の水はけを良くしてやることで根腐れのリスクを減らすことができます。その場合は市販培養土に赤玉土やパーライト、軽石を混ぜると良いでしょう。
<配合比率の具体例>
○市販培養土7:赤玉土3
○市販培養土9:パーライト1
○市販培養土9:軽石1

また、単体の土を買ってきて自分でブレンドするという手もあります。
私が普段使っている培養土は赤玉土7:腐葉土3:軽石1という配合です。
この配合はかなり水はけが良いので初期の生育には適していますが、株が大きくなってくると水切れのタイミングが早まるという問題があるため、毎日こまめに水やりを行える人向けの配合になります。

自分でブレンドした土には元肥が入っていないので入れる必要があります。
オススメは「マグァンプ(中粒)」で、これを入れると1年間肥料分を供給してくれるので追肥が必要なく楽です。
肥効が切れる2年目からは通常の肥料で追肥をしてやる必要があります。


③苗を用意する
お待ちかねの苗木の準備です。
購入先の候補はいくつかありますが、まず最初に言っておくとホームセンターでラズベリーを買うのはオススメしません。なぜかと言うとホームセンターにはほぼインディアンサマーという品種が一つしかないというのが通例です。それがあればまだ良い方で、ラズベリー自体売っていないホームセンターもあります。他にも管理がずさんだったり品種名が表記されていないということもあります。
というわけでホームセンター巡りをしたくなければネットショッピングを利用して確実に品種名がわかる苗木をゲットしましょう

手頃なところでは、楽天ヤフーショッピングでいくつかのラズベリーの品種が販売されています。
レッドラズベリーならインディアンサマー、レッドジュエル、サマーフェスティバルあたりがお手頃価格で初心者に適していると思います。性質的にはどれも似たりよったりです。 (ほんとはグレンアンプルをオススメしたいのですがグレン系を検索しても出てこないですね・・・※2021年4月22日時点)
(一応ココ→ 【グレンアンプル】 1年生苗 ラズベリー ※納期指定:通常発送※ [果樹苗木 木苺 木いちご] にページはあるのでアラートを設定しておくと買えるかもしれません)
イエローラズベリーならファールゴールドかジョイゴールドの二択ですがこの二つは区別がつかないくらい同じような形質なのでどちらでも良いでしょう。
ブラックラズベリーで販売されている唯一の品種であるブラックキャップを買ってみるのも面白いかもしれません(トゲが激しいので注意)。
4000円とか5000円くらいの高い品種もありますが楽天やヤフーショッピングでこれらを買うくらいなら次に紹介する専門店で同じくらいの値段のものを買ったほうがいいかもしれません(育てたことがないので確信的なことは言えませんが)。

ラズベリーを取り扱っている専門店には以下のものがあります。
タキイ種苗・・・https://shop.takii.co.jp/product/catalog/s/default/n/25/t/category/ca/00006514
扱っている品種・・・ファンタジーレッド、ジョンスクエアー、ブラックキャップなど
他では売っていない高価な品種を揃えています。特にファンタジーレッドとジョンスクエアーは私も育てているのですが両方とも非常に高品質な果実を実らせる品種です。ファンタジーレッドは現状日本で手に入るラズベリーの中で最大サイズの果実をならせる品種でしょう。またジョンスクエアーもかなり大きな果実をならせ味も他とは一線を画す独特な美味しさです。でもやっぱり高い・・・。

大関ナーセリー・・・https://www.ozekinursery.jp/shop/shop.cgi?class=4&keyword=&superkey=1&FF=0&pic_only=
扱っている品種・・・ビンテージ、ナンタヘーラ、オータムブリス、キャンバイ、ヘリテージ、インディアンサマー
ここも他所では売っていない品種を取り揃えています。2年に一回くらいの頻度で新商品を追加するので海外の比較的新しい品種を買うことができます。その意味で日本のラズベリー業界の最先端を行っている企業だと言えるでしょう。今日本で手に入る最新品種がビンテージです。とにかく新しい品種が欲しいのならここをチェックしてみましょう。
ちなみに私のオススメ品種はキャンバイです。一季成りですが甘くてマイルドな味が癖になります。ナンタヘーラも特筆すべき甘さを持っていて多分平均糖度は日本で入手可能な品種随一だと思います。
新しい品種はそれなりの値段はしますが、最新品種であるビンテージでも3800円です。この価格設定はかなり良心的だと思います。インディアンサマーに至っては900円です(笑)。古い品種と最新品種を一緒に買ってしまうというのも一つの手です。ちなみに送料が地域によって1,210円~2,415円かかるのでいくつかまとめて買わないと割高になるので注意しましょう。大関ナーセリーは苗木の品質もいいのでオススメです。
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大関ナーセリーから届いたオータムブリスの苗


④苗を植え付ける
植え付け時期は3月がベストですが、経験的にはよほど暑くなければいつ植え付けても大丈夫です。
ラズベリーは多少根をいじってもその後の生育に影響しないタイプの植物のようなので、根鉢ができていたら少しほぐして植え付けましょう。(似たような植物のブラックベリーは根をいじると生育がすごく悪くなります)


⑤害虫の防除(4月~11月)
ラズベリーは害虫が少ない育てやすい植物という謳い文句をよく目にしますが実際は防除しなければならない害虫が結構います。(地域によっては全く発生しない害虫もいます。)
ラズベリーにつく主な害虫で問題になるものとその防除法が以下のものになります。

○アブラムシ・・・カダンセーフ、ベニカマイルドスプレー、粘着くん水和剤 ○ハダニ・・・カダンセーフ、ベニカマイルドスプレー、粘着くん水和剤、アカリタッチ乳剤
○ホコリダニ・・・アカリタッチ乳剤(ホコリダニの登録はありませんが効果があります。「果樹類」準拠の希釈倍率で使用しましょう)。 ホコリダニは肉眼では視認できないほど小さい虫です。葉の裏に巣食って養分を吸い取り葉を枯らしてしまいます。初期の症状として葉が厚くなり、その後萎縮します。7月~9月の高温期に発生します。
画像がホコリダニの発生した葉の様子です。
IMG_20180811_141940(修正版)


○ヨトウムシ・・・捕殺&ゼンターリ顆粒水和剤
○コガネムシ(成虫&幼虫)・・・適用のある薬剤がないので物理的な防除を行います。
成虫の場合庭を見回って見つけたら捕殺、幼虫は卵を産ませないというのが基本になります。
では卵を産ませないためにどうすればいいのか。これにはいろいろなやり方があって皆さん試行錯誤をしているようです。
私も色々と試しているのですがこれなら完璧という方法はまだ確立していません。
例をあげると大きな収穫用ネットで鉢、もしくは鉢を含む株全体を覆ってしまうという方法があります。
また軽石を土の表面に敷き詰めるなどして、とにかくコガネムシが土に接触できないようにすることが重要です。
この両方で万全に対策するという手もあります。
イメージ的には下の商品のような感じです。


⑥追肥をする(3月~11月)
植え付けの際にマグァンプを土に混ぜ込んでいるなら一年は追肥不要です(2年目からは必要)。
肥料については確定的なことはあまり言えないのですが、「生育期に継続して肥料を効かせる」ということを基本に行えばまず問題ないと思います。
つまり3月~11月にかけて速効性化成肥料を一ヶ月に一回まくということです。一度にまく量は私の経験則ですが8-8-8の肥料で10号スリット鉢ならば一握りといったところです。
ポイントとしては、4月から枝が発生するなどの動きが始まるならその一ヶ月前の3月から追肥を行うということです。これによってスタートダッシュが切れるのでその後の生育が良くなります。
緩効性化成肥料を使う場合、3月、8月、11月の年3回で良いようです(下の書籍参照)。
また、どの本を読んでも一年の追肥のうち一度は有機質肥料を施せと書いてあるので、私も有機質肥料を使用しています。書籍によると11月、つまり冬に入る前に使うと良いようです。これは経験的に速効性化成肥料と同じ要領で使えばよいと思われます。つまり10号スリット鉢に一握りです。
以上の方法で施肥を行う限り、少なくとも肥料やけなどで枯らしてしまうことはないでしょう。


⑦間引き剪定で株元を整理する(4月~6月)
4月になると新しい枝が生えてきて株元が混雑してきます。病害虫の発生を予防するために風通しをよくする必要があります。新枝を根本から剪定して間引いていきましょう。
この時切るのは今年発生した緑色の茎(プリモケーン)です。去年からある茶色い枝(フロリケーン)は切らないようにしましょう。
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株元整理のポイント
○太い枝を優先的に残す
○枝が密集しているところを間引く
○日が当たらなくて黄色くなっている葉を取り除く
○最終的にプリモケーンを4~5本にする
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左が剪定前、真ん中が剪定後、右が切除した枝です。結構切ってます。
このように根本をスッキリさせます。
一度に切らなくても5月、6月になったときに様子を見て再度整理してもいいでしょう。


⑧雨除けをする(6月~9月)
ラズベリーは収穫期が梅雨とぶつかることが多く、果実がデリケートなので雨に当たるとすぐに傷んでしまいます。したがってしっかりとした実を収穫したいのなら雨除けを行うことを推奨します。
規模にもよるのですが大抵の場合、小さめの雨除けトンネルを建てることになると思います。
鉢を置いている場所が土の上なら支柱を地面に挿せば簡単に固定できるのですが、コンクリートや木の場合重りをくくりつけて固定することになります。
個人的に一番簡単だと思う方法は収穫用の網の中にレンガなどの重いものを詰め込んでそれをパイプに巻きつけるというものです。
風の強い地域はビニールが相当強い力を受けるので一箇所にレンガ5~6個または土嚢袋に砂利を詰めたものを入れると良いでしょう。
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画像のネットはこの商品です。
画像左の張ってあるビニールは大容量のものが楽天やヤフーショッピングで売っています。私は下の商品を買って使っています。


下の画像のようにフェンスに縛るという手もあります。
右の画像は不織布ポットに土を入れて支柱を挿してレンガで挟んで支柱を直角に連結して取っ手に針金を通して上に抜けない用に固定しています(メンドクサイ)。不格好ですがまあまあの強度があります。
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左の画像のトンネルは真っ直ぐな支柱2本と、トンネル支柱1本を組み合わせて作っています。
支柱をつなぐのに、平行部分はこの商品で結び、
垂直部分はこの商品で固定しています。
特に「バラ用やわらかバンド」は表面がゴムで皮膜してあるので、ラズベリーの枝を傷つけずに支柱に固定するのにも使えてかなり便利です。
というわけで雨除けを用意する環境は人それぞれですので自分なりのものを考えてみましょう。

ちなみに画像左で使っている骨組みは下の製品と同じ直径11mm、長さ1200mmのものです。



⑨夏果を収穫する(6月~9月)
待ちに待った収穫です。夏果が取れるのは去年生えた枝(フロリケーン)です。
ラズベリーは完熟すると少し引っ張っただけで軸からポロッと簡単に取れるようになります。
生で食べるもよし、ジャムにするもよし。努力の成果を楽しみましょう。
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⑩フロリケーン(去年生えた枝)を根本から切る
収穫を終えた枝はもう不要です。地際で切除してしまいましょう。
残して光合成を行わせるということもアリですが、個人的には空間的にプリモケーン(今年生えた枝)の邪魔になるので収穫後すぐ切ってしまっても構わないと思います。
ただし書籍やネットの情報を見ると冬(12~3月)に切れと書いてあることがほとんどなのでその方が良いのかもしれません(剪定は休眠期に行ったほうが良いという基本に則った判断でしょうか)。正直私も正確なところはわかりません。でも収穫後すぐに切って問題が起こったことはないですね。
間違ってプリモケーンを切ることだけはしないようにしましょう。

プリモケーン・・・今年生えた枝。緑色。まだ着果していない。
フロリケーン・・・去年生えた枝。茶色や灰色。すでに着果済み。色が違うのは木質化しているから。


⑪秋果を収穫する(9~11月)
二季成りの品種では9月~11月にプリモケーンに実がつきます。
これを収穫できれば夏果も含めて6月~11月までの間、ずっとラズベリーが食べられるというわけです。
ただし、夏の気温があまりにも高かったり、生育が悪かったりすると二季成り品種なのに秋果がならないということが結構起きます。
どうしても秋果が食べたい場合、日除けや肥育を工夫して条件を整えて秋果がなるようにしましょう(実は私も未だに秋果はほとんど取れていません・・・)。


本記事は以上になります。いかがだったでしょうか。
とにかく私が知っていることはほとんど全部書いたつもりです。
この記事を参考にあなたもラズベリー栽培を初めて見ませんか?
疑問点などあればコメントしていただけると幸いです。